中竹美怜さん(上海交通大学MBA)インタビュー

一昨年、上海交通大学MBAを修了された中竹美怜さんにお会いして、上海交通大学のMBAプログラムについてのお話を伺いました。

Q:簡単な経歴と現在のお仕事について教えて頂けますか?

新卒で朝日新聞社に記者として入社後、編集者、広報部員を経験しました。夫の海外赴任に伴って上海に子ども2人と帯同し、会社を休職、その期間にMBA受験に挑戦し、上海交通大学のIMBAコースを履修しました。その後、休職期間も満了になったことから退社し、上海で日系PR会社「プラップチャイナ」(https://www.prap.co.jp/service/pr_category/asia/)で営業として1年間働いたあと、夫の帰任とともに帰国。この春から、本社である「プラップジャパン」(https://www.prap.co.jp/)でアカウントスーパーバイザーとして、クライアント企業の広報活動についてのコンサルティング業務に携わっています。

10数年新聞社で働いてきてメディア側の視点は持っているもの、PRの仕事はほぼ未経験のままプラップチャイナに入社しました。その後約1年を経て、この春からプラップジャパンに転籍したことになります。PRの経験自体はまだ十分ではなく正直苦労していますが、社員の皆さんに助けてもらいながら日々楽しく仕事をしています。私なりの経験がきっと皆さんやクライアントの役に立つと信じて頑張っています。

そしてやはり、今頑張れるのも、挑戦するまでは夢のようなこととしか思えなかった英語でのMBA取得、チーム課題でリーダーを務めたりした経験を経て、以前は持てなかった自信が持てたからだと思っています。

Q:上海交通大学を選んだ理由を教えてください。
まず帯同で居住していた上海にある大学から選びました。街の中心部にあって利便性がいいこと、江沢民が卒業した由緒ある大学で卒業後のネットワークにも期待できると思ったからです。

ですが蓋を開けてみたら、コロナで日本に一時帰国して上海に戻れないままビジネススクールの2年間が終わってしまったので、何とすべてオンラインで履修することになってしまいました。残念ながら上海のおしゃれエリアにある素敵なキャンパスで学ぶことはできませんでした。修論提出も終わり、学位取得後、帯同ビザが再び取得できるようになって上海に戻ることがようやくでき、キャンパスで行われた卒業式は参加することができました。クラスメイトと美しいキャンパスの至るところで写真を撮りまくりました。

Q: 印象に残っているクラスメイトについて教えて頂けますか?
上海出身でアメリカの大学を卒業し、アメリカでの就労経験もある男子学生です。
もちろん英語もとても上手で、スピーチも手馴れ、授業のプレゼンでもチームをリードしていました。授業以外でも、私が上海に戻ったときや、他の留学生が初めて上海に来たときにはいつも飲み会の幹事をやってくれて、本当にありがたい存在でした。いつもはちょっとおちゃらけたキャラクターなのですが、私が飲み会に家族で参加したときには、夫や子供にまで積極的に話しかけてくれてそのサービス精神に改めて感じ入りました。彼は現在某アメリカ系超大手IT企業の上海事務所で働いています。

また、私がそもそも2人の幼子がいながらMBA受験にチャレンジしたのは、中国ではママもMBAを取っていると聞いて背中を押されたからだったのですが、私たちのクラスにも何人ものママ学生がいました。彼女たちは、授業態度も非常に真面目でチーム課題にもしっかり取り組んでいて、私もがんばらなくてはと刺激を受けていました。

上海交通大学

Q: MBAでの失敗例について教えてください。
失敗というか特に最初のころ後悔したのは、完璧に答えなくてはと気負っていて発言がなかなかできなかったことです。他のクラスメイトたちはたとえ完璧ではなくても、どんどん考えをシェアしていて、そのこと自体がクラスのディスカッションを活発にさせるのを見て、「私も発言すればよかった」と何度も思いました。時が経つにつれて、完璧を目指す必要はないのだし、自分の考えをシェアすること自体に価値があると段々思えるようになってきました。

Q:総じて、MBAはどうでしたか?
未明まで課題論文を読み終えられなかったり、レポートが書けなかったり、チーム課題でなかなかチームがまとまらなかったり、はっきり言ってめちゃくちゃ大変でした。コロナ中で、子供2人と私で実家に居候していたのですが、子供たちの世話を私の両親にも相当してもらったので、申し訳ない気持ちも強かったです。でもその大変なことをやり切ったことで、以前よりも格段に自分に自信が持てるようになりました。

また、日本人の物事の進め方と、外国出身の方の物事の進め方がぜんぜん違うということもわかり視野が広がりました。日本人の私としては、最初にある程度見通しをつけて、それに従ってチーム課題なども進めていきたいと思いがちだったのですが、他のメンバーはしばしば、かなりギリギリまでそれぞれが思い思いに取り組み、最後力業でまとめるということも多くありました。また、細かいことにはあまりこだわらず、大枠があっていればそれでいいじゃん、という大らかさも、総合的にはストレスも少ないですし、非常に合理的なことに気づきました。

Q:中国での就職事情、MBA生の就職事情について教えて頂けますか。
不動産不況もあり、中国の若者全体の就職が厳しくなっていることもあり、必ずしもクラスメイトみんなが希望通りの仕事につけているわけではないようです。ですが、そんな状況の中でも、起業をしたりフリーランスでEC運営支援をしたりなど、がんばっているクラスメイトが多くいます。

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Q:日本に戻られて感じたことは?
中国の大らかさ、ガチャガチャしたうるささに慣れて帰ってきたので、最初は東京の街の静かさに、特に子連れていると怖気つくこともよくありました。それと、中国ではグレーでも80点レベルでもどんどん物事を前に進めていこうとしますが、日本では一つ一つを100%にして物事を進めていくのがスタンダードになっているかと思うので、そのきっちりした社会に慣れるのにまだまだリハビリ中というのが実情です。

Q:MBAスクールで学ぶことをどのような方に勧めたいですか。
ビジネススクールで学んだことで、これまでのメディア経験を活かしながら、もっとビジネスにかかわる仕事をしてみたいと思うようになり、今のPRコンサルティングの仕事につながったと感じています。約2年もの間、集中的に世界各国出身の学生と喧々諤々議論しながら最新のビジネスケースについて学んだり、交流を深めたりすることは、どのような方にとってもその後のキャリアや人生を、より充実させたものにするかけがえのない経験になると思います。決して簡単な道ではないですが、踏み出す価値があると思います。

中竹さん、本日はお忙しい中インタビューにご協力頂きありがとうございました。

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