老後2000万円問題や人生100年時代構想など、昨今ではサラリーマンの老後不安を煽るようなニュースが数多く報道されています。このようなニュースを聞くと、人間心理としてはこのまま定年まで同じ会社に勤めあげても退職金や年金だけでは生活ができないと不安になってしまいますよね。

政府が働き方改革の一環としてサラリーマンの副業を推奨している経緯もあり、将来に危機感を持ったサラリーマンは、今のうちに会社に頼らず「稼ぐ力」を身に付けようと動き始めています。

しかしながら、サラリーマンが突然一人で稼ぎなさいと言われてもそう簡単なことではありません。そもそも仕事をしながらそんな簡単に稼ぐことができるものではありません。

今回は、何となく将来に不安を感じて副業を始めようかなと考えているサラリーマンの方々におススメのニュース記事をご紹介します。

空き時間で副業を始めた30歳男性の例

日本経済新聞の記事「副業解禁、主要企業の5割　社員成長や新事業に期待」では、大手飲料メーカーに勤める30歳の男性がパソコン講師の副業を始めた事例を紹介しています。

男性は異動により残業時間が大幅に減ったことから年収が100万円以上減ってしまいました。これをきっかけに空いた時間を使ってメールや表計算ソフトの活用法を独学で習得し、パソコン講師としての副業を始めたとのこと。今では本業と副業の総収入で異動前の年収を上回っていると言い、「副業で人脈が広がり、自信もついた」とコメントしています。

日本経済新聞社が行ったアンケートでは、企業が副業を認めるメリットとして一番多かったのは「社員の成長やモチベーション向上」、続いて「社員のセカンドキャリアの形成」という結果もあり、この男性は正に副業を通じてモチベーションが向上し、キャリア形成にもプラスに働いた例といえるでしょう。

サラリーマンは副業で本当に稼げるのか

とは言え、誰でも空き時間を利用すれば簡単に稼ぐことができるわけではありません。ニューズウィーク日本版の記事「『副業解禁』に反対！　世の中にどんな副業があるか知っていますか？」によると、期待したとおりに儲けられるのはほんの一握りの人たちだけだと言います。

記事では、アフィリエイトで月10万円稼ぐ場合を例にあげ、アフィリエイトの副業でも経済的コスト、時間的コスト、精神的コストの3つのコストがかかり、それらを正確に計算したうえで始めなければ儲けることはできないと言います。事業計画が甘いまま副業を始めたところで、副業サラリーマンをターゲットにした煽りの広告に騙されてしまうと警告しています。

副業で稼ぐことができない人のマインド3つ

副業をやったことが無い人は「私なんかに副業ができるのかな。」と尻込みをしてしまうかもしれません。そんな方には起業トピックに特化したアメリカの専門誌「Entrepreneur」の記事をご紹介します。

ご紹介する記事「3 Reasons Your Side Hustle Isn’t Growing Into a Full-Time Business（あなたの副業が本業に成長しない３つの理由）」では、副業で稼ぐことができない人のマインド3つを述べています。

１．テーマを絞っていない
副業で稼ぐには、自分の専門のテーマを１つだけ決めてその分野に集中する必要があります。初めから色々と手を出すと貴重な資源である時間を分散させてしまうこととなり、
どれも中途半端に終わってしまいます。

２．ビジネスプランが甘い
別に100ページにも渡る分厚いビジネスプランを書けという訳ではありません。あなたがお客さんに対して何を提供できるのか、なぜそれをやるのか、どんなビジネスモデルなのか、誰に売るのか、などをしっかりと考えておく必要があります。今から6カ月後、1年後、5年後の青写真を描いておくことが大切です。

３．趣味の範疇を脱していない
ビジネスは、ボランティアや趣味ではありません。副業で成功したいと思うのであれば有料サービスで顧客獲得に懸命になる必要があります。お客さんからお金を受け取って拡大していくのは勇気がいることです。自信や経験がないうちは有料で提供するのは怖いかもしれませんが決して恐れてはいけません。

以上、サラリーマンは副業で本当に稼ぐことができるのか？のヒントとなる記事３つをご紹介しました。

参考記事
・「副業解禁、主要企業の5割　社員成長や新事業に期待」日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO45004150Z10C19A5MM8000/

・「『副業解禁』に反対！　世の中にどんな副業があるか知っていますか？」ニューズウィーク日本版　https://www.newsweekjapan.jp/yokoyama/2019/05/post-16_1.php

・「3 Reasons Your Side Hustle Isn’t Growing Into a Full-Time Business」Entrepreneur誌
https://www.entrepreneur.com/article/324803